田村ミサさん
田舎でのワンショット
ストーブ列車が白銀の世界を彩る
私は津軽平野のど真ん中で、今もなおストーブ列車が走っている雪深い金木町喜良市村(きらいちむら)という田舎に生まれました。
かの有名な歌手・吉幾三さんと同じ町内でもあり、歌の中にも登場してくる村でもあります。
私は農家の娘として生まれ、田んぼ仕事を手伝うのが日課でした。
しかし、虫が嫌いな私は、田んぼに入ることが嫌いでいつも逃げ回っていたのを記憶しています。田んぼに入る度に虫と格闘し、その生活から抜け出したい一心で東京に上京してきたと言っても過言ではありません。
田舎は、半年は雪に覆われ、冬には土を見ることのほうがめずらしいほど雪が深く、幼い頃は、土が見えている場所を探し回ることが遊びの一つでした。
村を通るストーブ列車（津軽鉄道）からは、ストーブであぶるスルメの匂いが風に流れ、季節ごとに独特の風情を漂わせていました。ただ、焼くのは旅行客ばかりで「ストーブ列車でスルメを焼く人も…。」という紹介をしているので、旅行客がわざわざビールとスルメを持参し、ストーブで焼いている様です。
そんな村も今では五所川原市へと名前を変え面影も薄らいできましたが、毎年必ず帰省し、あの当時を思い出しています。
青森には「ねぶた祭」「青森りんご」など名所・名産がたくさんあり飽きのこない良い所です。是非いらして下さい。
