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脱原発で電気代があがる? 日本学術会議の妙な試算

 日本学術会議が「『脱原発』を進めると、将来を通じて電気料金が高騰する」という試算を今年秋に出そうとしています。玄海原発(佐賀県)の運転再開をめざす推進派を後押するものですが、その中身は噴飯物です。

事故と「原発マネー」無視

 読売新聞の報道では、来年夏までにすべての原発を止めると、標準的家庭の電気料金は「2030年に2121円値上がり」。逆に30年までに発電量の50%を原子力で賄えば13円のアップで済むとしています。
 この試算には放射能漏れのリスクを想定していません。福島原発事故の被害額は数十兆円以上と見られており、この分を入れずに正しい数字は出せないはず。立地地域への寄付やハコモノ建設などの「原発マネー」を外した点も問題でしょう。

再生可能エネルギーを軽視

 光など再生可能エネルギーへの移行を挙げています。確かにソーラーパネルを大量に設置すれば初期投資に費用はかかるでしょう。しかし売れ筋の電気製品が普及すれば価格が下がるのは常識です。再生可能エネルギーを20年後も高コストとすることは誤りです。

カネの多寡できめるとは

 学術会議は「我が国の約84万人の科学者を代表する機関」(ホームページ)とされていますが、首相の所管にあります。政府の意向を無視した提言を出せるのかは疑問。そうでなければ、住民の生活を奪って、放射能に脅かされる状況に目を向けずに、カネの多寡で物事を考えるような材料を国民に提供するはずはありません。

真偽をしっかり見極めよう

 福島事故の影響で原発停止が相次ぐなか、経済界は「電気料金が上がれば国内の生産拠点を保てない」と運転再開を強く求め、その
意を受けたように古川康佐賀県知事は玄海原発2、3号機の運転再開に前向きな姿勢を見せました。今後もさまざまなデータを持ち出して脱原発の世論を抑えようとするのは確実。真偽を見極めて判断することが求められています。

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