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確定申告前にもう一度確認 年度末の処理をしっかりやろう

自主記帳・自主計算・自主申告をしよう

 個人事業主として事業を行なっている以上、毎年確定申告をする必要があります。申告納税制度は、憲法の国民主権に基づくものであり、主権者である国民が自分の税金を自ら計算し申告・納税することで政治に参加するという理念をもったものです。国税通則法第16条は「納付すべき税額が、納税者のする申告により確定することを原則とする」と定めています。申告納税制度を守り、発展させるためには、私たちの自覚とあわせて「自主記帳・自主計算」を基本とした「自主申告」が大きな意味をもちます。
 事業を行なっている人の所得は、1年間の事業活動の結果として発生しますが、それは毎日の事業活動の積み重ねによるものです。
 消費税についても、1年間の取引をもとに計算して確定申告しなければなりません。したがって、所得税、消費税のどちらも、日常の取引の結果は資料をもとにした記帳が基本となります。
 資料を整理し、売上帳や現金出納帳、経費帳などを日々記帳していきます。
 日々の記帳を行うことは、自分の経営状況を把握することができ経営の基本となるものです。

建設業の売上げの考え方

 一般的な小売店などは代金を受け取ったとき、もしくは支払ったときに売上や経費として計上します。こうした方法を現金主義といいます。
 しかし、建設業の場合には工事が終わり、モノを引き渡した時に使用権や所有権が相手に移り、相手側に支払い義務が発生しますこのような考え方を権利確定主義といいます。
 引き渡しが終わって、請求書を発行した時点で収入として計上すると合理的です。(工事収入・工事範囲について図表(1)参照)

図表(1)

年度末の未完成工事の処理について

 12月31日現在で、工事が未完成で引渡しの終わっていない工事はその年度の売上には計上しません。その工事に関わる費用〈材料費、外注費、外注工賃〉も売上に合わせて次年度に持ち越します。
 未完成工事の把握については工事1件ごとに現場名、工事期間、請負金額、入金状況、材料費、外注費、支払い工賃などを記入できる「工事台帳」を備えておくと便利です。

貸倒損失について

 商売には貸倒れがつきものです。建設業でも長引く不況により不払いなどにより貸倒れとなるケースも増えています。
 しかし、貸倒れについては税法上簡単には認められていません。本当に回収が出来ないのか?という事実が客観的に証明できないと即時に貸倒れ処理はできません。具体的には下記の表の通りです。(図表(2)参照)

図表(2)

株、外貨預金、FXの取引きがある人は・・・

 株や外貨預金、外貨取引をやっている人は年々増加しています。もちろん儲けが出れば金額によっては確定申告が必要です。
 税務署は申告漏れの多さから重点的に株や外貨の申告漏れを調べています。取引の情報は証券会社や業者から税務署に上がっています。申告漏れは税務調査をまねく原因になりますので、申告漏れの無いように気をつけましょう。

確定申告相談会について

 例年2月1日より確定申告相談会を実施していますが、相談会では一年の売上や経費などの記帳をした帳簿を元に相談、作成を一緒に行ないます。その他、生命保険料や個人年金、住宅ローンなど各種控除証明も確定申告書を作成する時に必ず必要です。
 扶養の関係では奥さんやお子さんが働いている場合は配偶者控除や扶養控除の対象になるか確認するため源泉徴収票をお持ちください。
 平成23年より年少扶養控除の廃止で18歳以下のお子さんの扶養控除が減額もしくは廃止になっています。改めてお子さんの年齢の確認が必要です。

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