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2012年の課題は? 原発再稼動も焦点

 東日本大震災で政治も経済も大きく揺れた2011年。野田政権は貧困解消や格差是正に手をつけず、消費税増税やTPP(環太平洋経済連携協定)参加など、財界に顔を向けてばかりです。安心して働き暮らせる社会の実現へ、一歩を踏み出す2012年に。

労働者派遣法改正

 登録型や製造業務派遣の原則禁止という派遣法改正のかなめの条項を削られた修正法案が、民主、自民、公明の3党でまとめられ、継続審議扱いとなっています。
 派遣法改正に抵抗し続けてきた自民、公明の両党に鉄ついを。

有期雇用規制

 有期雇用への規制が労働契約法の改正として通常国会で提案される見通し。
 有期雇用は例外とする原則の確立や、ルール違反には「期間の定めのない雇用」とみなす規定の創設が焦点。
 使用者側の抵抗は強く、世論の後押しが欠かせません。

パート法改正

 正社員との差別を禁じた現行ルールの適用を受けられるパート労働者は、全体のわずか0・1%。均等待遇を広げるため、厚生労働省内の審議が進行中で、来年度中の法案提出が見込まれています。

2013年問題

 13年4月から、厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢(現行60歳)が3年ごとに1歳ずつ引き上げられます。
 無年金期間の収入確保のために、希望者全員の60歳以降の雇用を確保する高齢者雇用安定法改正が国会で審議される予定です。

公務員の基本権回復

 国家公務員に協約締結権(団体交渉権)を与える国家公務員制度改革関連法案は、自民、公明の強い抵抗に遭い、暗礁に乗り上げています。
 公務員叩きで票を稼ごうとする政治家たちに「喝」を。

最低賃金

 震災の影響で2011年度の改定が全国平均7円にとどまった地域別最低賃金。復興需要の高まりなどにより経済回復が見込まれる12年度は、「全国平均1000円」の実現へ遅れを取り戻さなければなりません。
 業種別に賃金を底支えする特定(産業別)最低賃金の存続維持も焦点。地域別最賃を上回る水準を確保できるよう、今こそ労働運動の底力を発揮する時です。

原発再稼動へと動く政府

 国内54基の原発はトラブルや定期検査入りが相次ぎ、このまま再稼動がなければ、この5月に稼動しているのは、北海道電力泊3号機の1基になります。
 政府は「電力不足」を理由に再稼動を進める方針です。@ストレステスト実施A地元理解を得るB首相や経産相ら担当4大臣の政治的判断――が条件です。
 しかし、経産省のストレステスト担当者は「結果を判断する国の基準はない」と明言。テストの実効性に疑問が生じています。11月に玄海原発4号機が運転再開した際、九州電力は佐賀県知事と玄海町長から了解を得たのみで、周辺自治体の反対は無視しました。
 野田首相は、建設を終えた新しい炉を動かす意向も見せています。夏の猛暑でも電力は不足しななかったうえ、事故による放射能汚染は深刻。研究機関からは大地震再発の警告も出されています。

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