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「妻の死は避けられたのではないだろうか」ただ真実を知りたいだけと話す桐田さん |
全国的にコロナ禍が広がる中、組合の仲間にも被害が出てしまいました。今回取材させて頂いたのは、皿沼分会の桐田喜朗さん。桐田さんの奥様が体調不良で入院するも、院内感染が起こりコロナに感染、お亡くなりになりました。報道等を見る限り、入院時には院内感染が発覚していたとされており「妻の死は避けられたのではないか?」そんな思いをお伺いしました。
【桐田喜朗・皿沼分会】私の妻は数年前にリンパ腫を発症。通院を続けること5年、ようやく医師より「良くなった」と言われ、安心していました。しかしそれも束の間、ある夜突然妻が「腰が痛い」と言い出したのです。病院に行くと「リンパ腫の再発」と診断され、3月21日に入院することとなりました。この時はコロナで妻を失うことになるとは、露程も思いませんでした。
症状回復するも翌日に訃報
後日、家でテレビを見ていると「妻が入院中の病院でクラスターが起きた」とのニュースが。妻と連絡も取れずに心配しましたが、4月20日、妻から「退院できそうだよ!」という嬉しい電話がありました。しかし翌日。忘れもしません、4月21日のこと。病院から「妻が亡くなった」との連絡がありました。私は何が起きているのか、何を言われているのか、まったく理解できませんでした。だって、妻は昨日「退院できそうだよ」と、そう、言ったのです。
遺品は焼却 遺骨は郵送
その後、病院から失意に沈む私に追い打ちをかけるような連絡がありました。その内容は「妻の遺品は全て燃やした」「遺骨をゆうパックで送る」というもの。私は病院のあまりにずさんな対応に「人を何だと思っているんだ!」と声を荒げてしまいました。結果、病院からきちんと遺骨が届けられましたが、コロナ禍とは言え流石に対応がおかしいのではないかという思いは拭えません。
その後、妻が亡くなった経緯について何も連絡がない期間が2ヶ月続いた6月29日、私は教師をしていた弟と共に質問状を作成し病院に問い合わせました。いくつかの疑問を病院に投げ掛けましたが、要点は下記の通りです。「@入院する際にはコロナの院内感染が判明していたはずなのに、何故告知してくれなかったのか」「A妻の死後、詳しい説明が一切無く、謝罪もないのは何故か」「B遺品を処分する前に相談したり、写真などで記録を残すことは出来なかったのか」
質問に対する回答はありましたが、そこにあったのは定型文のような文章。結局、私は3月21日を最後に妻に会うことは叶いませんでした。今は妻の存在が、支えが、いかに大きかったのかを実感する毎日です。
真実を知りたい只それだけ
私は病院と喧嘩したいわけではありません。しかし、妻の死は避けられたのではないか、そのことが未だに頭を巡ります。ただ真実を知りたいのです。これからも病院に妻の死に関わる詳細な真実を教えてもらえるよう、訴えかけていきたいと思います。
コロナにかかりたくて感染する方はいないとは思います。しかし、何かあってからでは遅いのです。皆さんもコロナに感染せぬようお気を付け下さい。あ、最後に一つ。妻は亡くなりましたが、仲間の皆さんがまた我が家に遊びにきてくれると、嬉しいです。お待ちしております(笑)