昨年秋のこと「肺がんが判明した仲間がいる」との情報が、足立支部に届きました。建設業で肺がんと言えば疑うべきは石綿関連疾患。支部担当者はまず職業病専門医に相談し仲間を診断してもらうことになりました。
すると予想は的中「小さな影」から石綿関連疾患が認められました。しかし、いくら専門医のお墨付きが出ても労災認定されないのがアスベストの怖いところ。こういった事例のほとんどが「証拠不十分」で棄却されてしまうのです。
次に、労災認定を確実なものとするため、肺がん手術を行った担当医に意見を求めました。肺を肉眼で見た医者が石綿関連疾患を認めれば労災の認定がおりやすいためです。しかし担当医は否定。なかば諦め気味となりましたが支部担当者の後押しもあり、年が明けた1月、ダメもとで労災申請を行うことになりました。
すると6月にまさかの出来事が。なんと、アスベストによる労災が認められたのです。今回の認定は前例のないまさに画期的なもので、後の石綿関連疾患の労災認定に大きな希望を見出す事例を作ることができました。