青木徳雄さん
樹氷とスキー場で名高い山形蔵王の、蔵王温泉近くの村落に生まれました。
現在は山形県が誇る観光地になりましたが、私たちが小さい頃の蔵王の冬は、ただただ、雪が多くて、短尺の竹スキーで、里にある小学校へ通ったものでした。現在はバスでの通学のようですが、昔は吹雪になると道路が見えなくなり、家に帰るのにたいへんだったことを覚えています。
でもこんな乾いたさらさら雪の蔵王が、スキーヤーにはたまらないのです。又、蔵王の山にはアオモリトドマツなどの針葉樹が多く、着氷に着雪、常に一定方向の強風と低温、そして積雪が多すぎず、少なすぎないこと、すべての条件ができて、世界に誇るアイスモンスターとよばれる、樹氷ができるのです。ぜひ一度、冬の蔵王を訪れてみてください。
蔵王のお釜
私の母校、蔵王第二小学校は歌人「斉藤茂吉」の母校でもあります。蔵王山頂にある歌碑には、『みちのくを ふたわけざまにそびえたもう蔵王の山の雲の中にたつ』と詠っています。茂吉翁は蔵王の山頂からみる、景色の雄大さに、感動して、詠まれたと言われています。母校の庭には、『あかねさす 日のまともなる高岡に 心ゆたけく 子らは学ばん』という歌碑が建っていて、現在の子供たちにも勉学の励みになっています。又校内には茂吉コーナー「あかね館」も設置され、斉藤茂吉の写真や作品、出版物などが展示されています。観光地、上の山温泉には、斉藤茂吉記念館がありたくさんの短歌の好きな人が訪れています。
樹氷とスキーと斉藤茂吉、これが私のふるさとです。