東京土建一般労働組合　足立支部

　

私は秋田県山本郡峰浜村石川という青森県に近い山深い所で生まれ、小学校2年まで育ちました。
海も比較的近く海の幸、山の幸も豊富な所ですが当時は冬の寒さは厳しく雪も深く冷たくかじかんだ手をさすりさすり、半べそをかきながら片道30分かかり小学校へ通う、子供にとっても厳しい生活でした。
そんな中でも楽しい思い出もたくさんあります。雪がとけ春になるとドジョウやフナを追いかけセリ、もち草摘み、丘にはお花が一面に咲き本当にきれいでした。夏は川遊びや、七月の終わり頃の夜、村中の子供が集まり大きな子から順番に並び暗闇の中を村はずれの田んぼにホタル狩りに行きました。子供心にスリルと冒険心でゾクゾクしたものです。秋はアケビ、栗、きのこ狩りそして母の作るたる柿のおいしかったこと、今でも忘れません。雪が降ると不器用で子供など無関心のような父が竹を割り、竹スキーを作ってくれ本当にうれしかった記憶があります。わがまま勝手な父と暮らし九人の子供を抱え貧乏のどん底でしたが、いつもよく笑う母でした。そして本当に私たちを可愛がってくれました。
　年を追うごとに故郷と父母の姿が重なり懐かしさがこみ上げてきます。今は亡き母の笑い声と故郷の風景に今も私は支えられ力を与えてもらっている気がします。

 

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