東京土建一般労働組合　足立支部

９月に行った「あだちフードパントリー」の活動で食糧を送り届ける岡井さん

　私のふるさとは兵庫県多可郡黒田庄町（現西脇市）山に囲まれ、町の中心を川が流れるのどかな地域です。織物が盛んで、糸を詰める音や横糸を通す音を聞いて育ちました。
　高校卒業後は大阪の商社に勤め、東京の支店に異動したことを切っ掛けに上京。そこから足立区に居住しています。23歳の頃、知人の紹介で鉄骨屋に転職したのですが、サラリーマンをしていた私には未知の世界でしたので、慣れるまで大変でした。しかし、物が出来ていく様が楽しく職人という仕事に魅力を感じました。

ご縁に感謝

35年前の慰安旅行/佐渡ヶ島たらい舟体験

　次に入職したのが機械を作る建築金物の会社、監督を経験しました。その中で自ら設計をしたいとの思いから知人の仕事を手伝いながらＣＡＤを勉強、33歳になる頃独立しました。当初は仕事依頼もありませんので、工場の一角を間借りして作業場としていました。一年程が経つとようやく仕事が軌道に乗り、この頃に繋がった人たちとは今でも繋がっています。ご縁に感謝ですね。今も物作りに携われ、喜んでくれる人がいることが嬉しいです。

子育て支援

　「子育て支援」をはじめたのは今から10年程前です。仕事に時間ができ気分転換のため行った映画館で「沖縄戦争を題材にしたドキュメンタリー映画」を観ました。高校生の時分から「貧困とは何だろう」「どうしたら解決できるのだろう」と考えていたこともあり、この映画との出会いを切っ掛けに「貧困、不正、政治問題」に対する思いが強くなりました。
　同映画を多くの方に見てほしいと自主上映すると１００人もの方が観に来てくれ、その中の一人が育児についてサポートする団体の方であったため、自身も何か力になれないかと手伝いをするようになりました。すると活動規模が大きくなっていき、今では足立区各所で「子ども食堂（子どもの居場所兼無料で食事のできる場所）」「フードパントリー（食品の無償提供）」を行えるまでになりました。どちらの取り組みも好評で、中には「果物を初めて食べた！」と大喜びしてくれた小学生もいます。
　目指すのは「秩序ある世界」です。気付いていないだけで、サポートなしでは日々の食事に困る方、虐待を受けている子どもが皆さんの周りにもたくさんいます。目を向けなければ分かりません。誰かがやるだろうではなく、実情を知ってください。まずは一歩を踏み出してみてください。皆さんのお力添えをお待ちしています。

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