東京土建一般労働組合　足立支部

　生まれは千住龍田町。子どもの頃の遊び場は、やはり「荒川」だ。当時の荒川河川敷は畑や田んぼが広がり、千住新橋のたもとから堀切橋の間まで、支流が通されていた。満潮時は５〜６ｍ、干潮時で２ｍの川幅になり、葦を束にして４〜５人乗りの「いかだ」を作り遊んだ。大川町公園にあった25ｍプールで往復できるようになると、向こう岸まで渡れると思い、友達と泳ぎ始めた。ところが流れが速く川下に流され、途中で力尽きて溺れてしまった。その時ボートを漕いでいた大学生に命を助けられた。親に知られるとこっぴどく殴られるので黙っていたが、今だったら大変なことになっていただろう。１９５９年、中卒で日立製作所・亀有工場の技能者養成所に入社した。

養成所時代の給料は５千円で、今の２万円程。３年間の養成所を経て、工場の簡単な電気工事を担当した。別の部門には、１歳下でその後足立支部の書記長を勤めた関根さんがいた。８年ほど働いた頃に世間はバブルで、電気工事屋さんが家を買ったりするのを見て、後先考えずに退社し独立。仲間もお客さんもいないので、バブルが終わると仕事がパッタリなくなり、弁当をつくって送り出されても、土手で寝ているしかなかった。その後地下鉄工事に入るようになり、換気工事の夜間作業で、２倍の手間が１年間ほど続く。その頃から、人の紹介で仕事が入るようになり、ようやく町場でのつながりを持てたと実感した。自分のルーツは茨城県で、経済力があっらたしいが祖母の祖父時代につぶれ、東京に出てきた。父母が住んでいた龍田町を空襲で焼け出され、現在の日の出町の土地に新築したが、もらい火で焼け半年後にまた新築した。先祖以来波乱万丈だ。

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