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私は、九州は熊本県で生まれ育ちました。熊本市内から西南30キロ程離れた宇土(うと)半島の中ほどに田舎はあります。 田舎ともあり道路は狭く、白壁土蔵が特徴の、屋根の低い町並みが広がっていました。 また、非常に起伏にとんだ地形をしていて、町を外れるとすぐ勾配に差し掛かったことを記憶しています。
山並みを背に目の前には大海原が広がり、住民のほとんどが半農半漁を生業としていました。
当時、農業は盛んでサトウキビが畑の大半を占め、またみかんの栽培も見受けられ、独特の山並みが広がっていたのが印象的でした。
眼下に広がる大海原は八代海。通称「不知火海」とも呼ばれ、その由来は、天皇巡幸時に遠くに見た漁火が神秘的に映ったことから名づけられた、由緒ある名称でもあります。
そんな歴史ある美しい海も、メチル水銀の惨劇「水俣病」で有名となり、私自身いたたまれない気持ちでいっぱいです。
そんな歴史を残しているふるさとではありますが、風情あるいい所です。熊本に行かれる際には是非立ち寄ってみてください。
花畑分会 戸川辰雄