東京土建一般労働組合　足立支部

　「私の故郷」ねえ。生まれたところは中野区本町だけど、３歳で足立区興野に引っ越しているで、自分の故郷といえば足立区。
　光榮（みつはな）姓は茨城県に多く、祖父が茨城の月山寺という寺の住職。父親は坊さんになるのが嫌で東京に出て、鳶工になりました。結婚する前は、飯場暮らしを続けていたらしく、自由奔放でかなり「はんぱもん」。
　「フーテンの寅」が使っていたような皮のカバンと帽子で現場を転々としていたそうです。寅さんに憧れていたんだろうね。
　子どもの頃、そのカバンが家にあってね。
　俺、欲しかったんだよなぁ、あのカバン。
　中学卒業して研磨剤の会社に就職。義理の兄から「学がないからペンキ屋だな」が、しゃくで就職したけど、結局４年たって義兄のいるペンキ屋に入つていた。
　中学の時にそこでバイトしていたけど、入って教わったのは見積りと仕事の段取り。

　１年間スパルタで教えられ、覚えた頃に義兄はさっさと退社。
　２８歳で独立する時、「それなら土建に入んなよ。役に立つし、青年部にも間に合う」と誘われて組合加入。
　西新井本町分会では粕谷さんや高橋さんという大先輩からいろいろ教えられ、特に高橋昇さんからは、「困っているから共済申請が出るんだ」と、手続きの大切さをスパルタ的に教えられました。
　今思うと、みんな後継者を作るんだなと。
　足立も様変わりしたね。荒川が臭くて泳げない頃に、東京マリンが出来た。オープン時に、東京マリンの歌のソノシートを先着でもらったよ。まだ覚えているね。♪東京の空の下に夢のプールができたとさ♪
　芸能人もいっぱい来たから、足立区が有名になったね。

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