東京土建一般労働組合　足立支部

　千葉県南房総市千倉の生まれです。戦前までは土地もたくさん持っていたらしいけど、農地改革で随分少なくなったと聞いています。千葉県なので山という山はないけど、やっぱり山の中でした。
　実家は農家でタバコ栽培をしていて、タバコの花はきれいなんですが、葉っぱを紡ぐと樹液と汚れで手が黒くなったことを覚えています。　でもまだ小さかったので、主にリヤカーを押していただけですが。
　小学校2年の時、父が亡くなるとタバコ栽培はやめ、田んぼの他生姜・白菜・大根などの野菜を作っていました。
　子どもの頃は遊びという遊びもなくて、近くの古いトンネルにいるコウモリを捕まえ、学校に持っていって友達に見せたりしたね。今思うといろんな病原菌を持っていたはずなのにポケットに入れたり、噛まれたりと無茶なことをしていました。

　東京に出てきたのは中学卒業した15歳のとき。オリンピックの翌年に集団就職でプレス会社に就職しました。実は奥さんもこの年、福島から集団就職でこの会社に就職した者同士です。
　実家は他の部落から離れたところにあったため、電気がまだ通っていなく、電気屋になりたいという思いを持ち続けていて、19歳の頃新聞広告に電気工事の職人募集が出ていたのを見て、意を決して応募しました。
　それからはずっと電気工事に関わってきていますが、最初の会社では一般住宅の仕事でしたが、次のところでは店舗が中心で、工期も短く大変でした。
　ずっと職人でやっていたけど賃金は安かったね。60歳になる頃独立しました。
　現場の図面はメールで送られてくるんだけど、パソコンの具合が悪いときなどチェックできなくてたまっちゃってね。
　実家は兄が継いでいるけど、田畑は何にも構っていないので、みんな自然に帰った状態だね。まわりにも農業やっているところは何件もないしね。
　地方の過疎化といわれているけど、千倉のほうでも人が少なくなっています。

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