東京土建一般労働組合　足立支部

　生まれは岩手県下閉伊（しもへい）郡岩泉町釜津田村。実家は森林地帯の中で炭焼きをしていたが、需要が下火になると木の切り出しと植林も。畑もやるようになり、その後、川のそばに田んぼも作っていた。
　佐々木さんが小学校に上がる前には牛を飼い、子牛が生まれるとひと夏放牧して、秋には競りに出すという、繁殖農家をしていた。
　牛たちの餌になる牧草は「サイロ」に詰めるが、ここでは背の高いものではなく、地面を深く掘ったところに牧草をきざんで詰めるもの。
　冬になると梯子で下まで降りて行き、醗酵した牧草をもって上がるのが大変だったと言う。
　小学生になれば、家の手伝いを何かしらやるようになったので、飯炊きは普通にやり、牛たちの世話は子どもたちの仕事だった。
　男５人、女３人の８人兄弟の下から３番目。多いといっても、10人だったり12人なんていう家もあったという。
　岩手県内には、五穀豊穣や念仏供養の祈りを込めた鹿踊り（ししおどり）が町ごとにあって、主に「太鼓踊系」と「幕踊系」に別れ、釜津田鹿踊は幕踊系で、毎年お盆の頃に神社で踊られている。

　岩泉町には日本三大鍾乳洞の一つ、「龍泉洞（鍾乳洞）」があり、有名だ。
　小学６年頃に、山で除伐のアルバイトをやった体験から、「中学卒業したら早く稼ぎたい」と思っていた。小さい頃から物を作ることが好きで、『大工やらないか』と、声がかかった時には二つ返事で東京へ。昭和50年の春だった。
　西日暮里の建築専門学校に週２日で、３年間通わせてもらった。「仕事を休める」と思いつつ、２級技能士の資格が取れてほっとした。
　「今年の盆にも帰ったが、山の雄大な景色の中に戻ると、ふるさとだなと、安心感にひたれるね」

岩泉町のホームページ