東京土建一般労働組合　足立支部

　私のふるさとは岩手県宮古市です。２０１１年３月11日、14時46分に発生した東日本大震災では、日本観測史上最大規模のマグニチュード９を観測し、地元に甚大な被害が。友人や妻の親戚は津波に飲み込まれたまま、今もまだ見つかっていません。そんな我が故郷には、リアス式海岸や龍泉洞など自慢の絶景がたくさんありますので、ぜひ一度は訪れてみてほしいと思います。

　当時住んでいた地域は、宮古市大字長沢南川目63番地。周囲を木々に囲まれた山奥にあり、カモシカやイタチなどによく出くわしました。山はまさに食材の宝庫で、春にはワラビやフキなどの山菜、夏にはイワナやヤマメなどの川魚、秋になると栗やクルミ、アケビに松茸などを収穫して、市場に売り家計の助けにしていました。他にも、山ぶどうでジュースを作ったり、カブトムシやクワガタを捕まえたりと、大自然を走り回る日々。冬だけは雪が深くなり何もとれないため、竹を曲げ自作したスキーやソリで山を滑り楽しんで過ごしました。そんな四季を通して私を育んでくれた山ですが、春先だけは本当に危険。両親や先生からは「冬眠明けの熊には気をつけろ」と口すっぱく教えられました。幸いなことに、私の周囲に熊による死者は出ませんでしたが、友人の親が命からがら生き延びたことも。そして、こんなこと言った後になんですが…熊肉はジンギスカンのような味で美味しいので、ぜひ食べてみて頂きたい（笑）。
　中学校を卒業してからは、家庭の都合もあって大工に弟子入り。５年勤めた後、結婚を機に知人のいる埼玉県に出てきました。大工仕事をメインでしながら、住宅や店舗の家具取り付けを行っていたのですが、気付けば家具作りの方が面白くなり、現在は注文家具を生業にしています。
　ゆくゆく、目途が立てば早めに引退、妻と私の生まれ故郷である宮古に帰郷するのが目標です。朝は畑を耕し、夜は綺麗な星空を眺め、休日はのんびりと海を眺める。そんな生活を夫婦二人で夢見て、今日も仕事を頑張っています。
　さて、記事を書いている今頃は、秋刀魚が旬。今年は高くて手が出ませんので、これを読んだ誰かが送ってくれることを密かに願うばかりです（笑）。

 

岩手県宮古市のホームページ