東京土建一般労働組合　足立支部

　私のふるさとは岩手県花巻市鉛です。田畑や山に囲まれた地域で、宮沢賢治の生まれた地として有名です。また、同氏が執筆した童話「なめとの山の熊」の中にも登場した「鉛温泉」があり、その歴史は６００年を誇ります。この温泉、僅か１％しか存在しないと言われる完全源泉かけ流しの温泉で「温泉遺産」「新日本百名湯」「日本百名湯」に選定されています。子供の頃はプールに行くような感覚で同温泉に通っており、深さ１．２５ｍもある浴槽で泳いで遊んだ思い出があります。ちなみに、岩手の県民食と言えば南部せんべい。どの家にも必ずと言って良い程ストックされていました。昔はゴマ味が主流で、まさに飽きる程食べました（笑）。

　中学を卒業すると上京し、世田谷区にあったお米屋さんで荷揚げや配達をしながら都会を満喫。今とは違いリアカーで運んでいたため夏は大汗、車が導入されると快適になりその後５年勤めました。
　その後は手に職をつけたいと思い、姉の紹介で上野にあった畳屋に弟子入り。時には大変なこともありましたが、楽しくやりがいがありました。この時、私史上最大の趣味を見つけます。そう、神輿です。この地域は下谷・三茶・鳥越と祭りだらけで、男らしく「六尺のふんどし」を締め込み担ぎました。今も神輿を見つけるとワクワクし、あの頃を思い出しては楽しい気持ちになります。
　上野で５年を過ごし、年季が明けた後は３軒の畳屋で修行。40歳になる頃に足立区へと越し、一人立ちしました。この頃は仕事をしていると「我が家の畳もやってくれ！」と自然と口コミで仕事が入ってくる時代でした。手に職をつけるとはよく言ったもので、今でもたまにシルバーで仕事をさせてもらっています。
　当時は「建築屋はとりあえず土建に入っておけ」という風潮があり、確定申告等、とても助けられた記憶があります。加入後は９年の間組織部長を歴任、分会長もやりました。組合のイベント事が好きで、特に毎年行った旅行ではたくさんの思い出を作りました。今は生憎のコロナ禍、なかなかイベントができずに寂しいこともあります。役員も現在は５人程と少し寂しくなってきましたので、今後は若い役員さんに積極的に声掛けしていきたいと思っています。

岩手県花巻市のホームページ